2013年11月23日土曜日

プラスティックティーンエイジワイルドライフ B'z エデン的回想の旅 2nd beat

稲葉氏の肩のタトゥー。私も自転車に同じシールを張っている。
どこかのバンドのヴォーカルのシンボルマークに似ているような
しかしこれにはRESPECTという文字が添えられている。


新作を好きになれなかったこと、環境の変化で一旦のB'zブームは終焉をむかえる。
再燃するときは高校に進学していた。



当時聞いていたものは、B'zChicagoDioとよくわからないことになっていた。
全部自分で選択してきた音楽なのは確かなのだが。

学校の帰り道、偶然立ち寄った個人経営の中古CDショップでThe 7th blues
という二枚組の大きなパッケージを見つけた。
前回もそうだったがロックのアルバム的に二枚組アルバムは一癖あるものが多い
このアルバム例外ではなく、ダンスミュージック×ロックとして成功を収めた彼らが、
それを捨ていきなりハードロックをプレイし始めた転換期の作品であった。
(その激変から暗黒期とも。二人とも髪を伸ばしたり、ホットパンツを穿いたり)
しかしそんなことつゆ知らず聞いた私に再び電源が走った「すごい!!」激しさと、
相変わらず歌詞はよくわからないがパワーに満ち満ちていたのだ
まさにB'z!!特に1曲目Love is dead には度肝を抜いた。
これがロック、ぶる~ずだと思ったのだった。

これで高校生なら普通ならギターを持っちゃったりなんかしちゃうだろう、
しかし私は違った「脳内PV」を作り始めた。つまりフィギュアか人を動かしつつ、「このサビに入るタイミングで腕が壊れる~」とか「激しい銃撃」とか頭でいろいろ、
ディレクションしながら音楽を流し脳内でPVを作っていた。「MAD(異なる映像と音楽を組み合わせ編集した映像作品)」を黙々と想像にふけったのだった。
もっと前からやっていたが、このアルバムとiPodの登場により更にクリエイティブで、
モバイルなものになった。まぁみんな一度はやってると思うが。

音楽不正ダウンロード黎明期
今では不正なダウンロードがいろいろ問題になっているが、
この時期は更に混沌を極めていた。
音質は関係なく音源があれば(ケータイ等で持ち運べれば)良かったわけで、
例えばラジオやCD音源などをMP3でテレビ番組をビデオにダビングするように、
直接録音して、それを変換しサイトに上げていたのもあった。
とにかくアップロードサイトが乱立していた。
また少し探せば未発表のデモテープなんかも転がっていたのだ。

問題なのはこれがケータイ電話ででき、かつ暗黙の了解で
(ダメだとわかっているが)やっていたことだ。
ようはゲームの裏技感覚だということ。さらにそれが一人で楽しむ音楽と来た。
相性は抜群だったのだ。
SDカードに保存でき、電子辞書で授業中音楽を聞いてる奴もいたりした。
当時、電子辞書も発展期で本体にイヤホンジャックがついていて、
SDカードに英会話のデータを入れて勉強できる機能がついていたのだ。
中には液晶でさらにワンセグが付いてるのもあった。
英単語の発音が音声で聞けるシステムは画期的だったが。

これに加えコピーコントロールCDの失敗(守られるはずのアーティスト側からも不信がられる始末)が今のCD不振に響いているのだろうか?
今思えば、本当に好きなものは完成品(CD)で手元に置いときたいと考えてしまう。元来からある収集癖が勝っていたのだ。

初めてB'z友達ができる
迷いながらキャンバスゲートくぐり(本当にあの大学は迷う)私も大学生になった。
この頃バイトを初めていたので余裕があったので、
CDを買い揃えたり、ロックTシャツ集めを初めていた。
音楽はサークル(まったく今までの人生と関係のない新しいサークルに入部)
の先輩と出会いこの人のおかげで更に見聞が広まった。
また親父のCDコレクションからBeatlesやレッドツェッペリンなどを借り聞いていた。

特にこの先輩はすごかった。よく洋楽好きなマニアはB'zというと
「気にくわない・ロックじゃない」という変えられない概念を持っている。
好きになれないならそれでいいが、過剰なアレルギー反応を起こす人もいるわけで正直
「何か音楽聞く?」と聞かれてB'zと答えるのが億劫な時もあった。
しかしこの先輩は違った。私は「歩くロック図鑑」と思うほど精通していたが、
それだけでなく幅広く音楽を楽しんでいた。偏りがちな自分の音楽趣向でここまで
手広く深く音楽を聞いている人間は初めて出会った。オペラも聞いてるとか!
そんな彼に恐る恐る「B'zが好きだ」と言ってみたことがある。
すると「俺もそうだ。B'zが日本のトップを維持してるのはいいことだよね」と、
返してくれた、その後「俺が好きなのはながい愛だなぁ」と続けた。
B'zの「ながい愛」という曲はマイナーながら熱心なファンに愛されている曲だ。
(むしろベストアルバムで止まっている人達にはかなりハード、歌詞も難解)
私は思わず「先輩!お目が高い、いや、耳肥えてますね~」と叫んでしまった。

そこからいろいろな音楽を聞こうとブリットポップからLAメタル、グラムなど、
幅広くかつベストアルバムでとまらずアルバム、シングル単位で聞くようになった。
特にoasisにはまり先輩と今のところ最後の単独ライブを幕張に見に行った。
後世まで自慢したい数少ないライブ経験だ。
大学での出会いはそれだけではなかった、同級生でB'zマニアに出会えたのだ!
あのアルバムのここがいいとかカラオケでこのマイナー曲縛りで歌おうとか、
かなりディープに楽しむことができた。

そしてライブに足を運ぶ時が来た。アルバム「magic」を引っさげた大規模なツアー。
東京ドーム、しかも一般席(一応S席)にも関わらずアリーナのど真ん中というかなり良い席だっだ。この年だけ席の配当方法が座席のグレードの中でのランダムだっため、
このような席がとれたのだ。
(逆にファンクラブ会員からの不満はすごかった。)

ライブは盛り上がった。もちろん私は全曲知っていたので、
何が次に演奏されても興奮していた。
更にステージがそのままアリーナ中心まで移動するギミックに驚く。
(バンドでこれをやったのは世界初と銘打っていた)
あのB'zが私のすぐ近くまで、寄ってきたのだから!
さすがトップアーティスト!
演出がすごい。カメラワークも当時流行ったMichaelの「This is it」でも使われたあえてディレイにした映像を何度も輪唱のように繰り返すことで疑似3Dのように見せる演出を映画公開中にもかかわらず取り入れたり、列車車両をセットとしてステージに出し、
その上に乗っかって演奏をしていた(最近このツアーのライブDVDが出たので見てみると良い、エンターテイメント性の高いものだった)
珍しくセットリストにあの電流が走ったLove is Deadも演奏された。大満足だ。
ライブが終わった頃には冬だというのに汗びっしょりで酸欠になりかけていた。
あの後クラプトンやエアロスミスなどのライブにも足を運んだが,
ここまで燃えたライブはB'zだけだった。
B'zを追いかけてきた私にとってこれが一つの頂点となったのだ。

アローンアゲイン
大学生も卒業しそつなく就職することになった。
いつの間にかB'z友達も先輩も社会にでて疎遠になっている。
一度だけ成人式前にあの地区センロックしてた友人達と再会した。
私も含めみんなの魂胆はわかっている。
成人式でひとりぼっちになることだけは避けたいという焦りからだ。
しかし会ってみるとやれバンドを始めただの、薄化粧してビジュアル系な顔になってる奴、高校辞めてから自由になったとかぬかす奴、宗教の熱心な信仰者になった奴など
変わり果てていた。そしてみんなムリしている。とりわけ恋愛、友人事情。
正直もうここに居場所はないと。いや元を知っているから余計辛くなったのだ。
成人式で私は彼らとの関係を一方的に切ってしまった。
音楽を聞くことに関して私は孤独なことだと思う。
考えてみれば中学、高校、大学といろいろな人と出会い、別れた。
音楽の話題で盛り上がることが多かったが意外にもみんなで聞くということは
年をとるにつれて少なくなった。しかも大音量で流すこともあまりない。

親父といつかは酒を飲みながらロックを語り合う日が来るのかなと思いきやそんな兆候も一切ない。
きっと彼の中では私は地区センロックのビーズ息子で止まってるのだろう。
むしろビートルズからツェッペリン、クイーン、トトなどクラシックなロックは、
オレ達のもの、オレたちの歌という意識だろうか。
こうなるとどうあがいても私に勝ち目はない。
彼らは1969年にビートルズにcarry that weight a long timeと別れを告げられ、
ジョンやフレディら多くの死をそして出会いを乗り越えてきた人間なのだから。

しかし音楽とは気休めだ。音楽がなくてはいけなかったなんてことは無い。
某レコード販売店でNo music No life と謳っているが、果たしてそうだろうか?
短い人生を振り返っても生活の中に音楽があっただけなのだから。
一時期は好きな女にCDを無理やり貸し付けたり、
カラオケでみんな、世代でもないユニコーンを合唱してるから
ノリノリで大好きなイエモンを歌ったらみんな知らず、シラケてしまったことに
「オマエらロック好きじゃねぇかよ!」と内心怒りを覚えたりした。
でもそれが普通なのだ。人生いろいろ、音楽と出会うタイミングなんてほんとささいなもの。それなのに売り手側がこんなことを言い出すのはいかがなものか。
自分の人生だ、好きに生きて、好きな音楽を聞けばいい、
いやしっくりこないなら聞かなくていいんだ。ましてや無理して全て網羅しようなど。
大切なのは己の人生なのだから。
あのアーティストも歌ってるだろう?

Please don't put your life in the hands Of a Rock n Roll band              

最近そのレコード屋のポスターを見たら、謳い文句の後に
「?」が付いていたのだった。進化かあるいは退化の予兆か。
つづく

So you train by shadow boxing,
search for the truth
But it's all, but it's all used up
… 

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