2014年2月6日木曜日

「ずっと永遠にいっしょだよ」-永遠-


近頃、私にははまっている曲がある。恥ずかしながらアニソンで。

それは、大ブレイクを巻き起こしたアニメ「けいおん!!」の「天使にふれたよ」という曲だ。

その曲について、背景を説明しよう。
「桜高軽音部」には、5人のメンバーがいる。そのうち、4人が3年生。
2年生は「中野梓」(以下、梓)ただ1人。




当然、先輩たちは卒業の日を迎える。別れの時が来たのである。
部室に行き、先輩たちと顔を合わせる梓。
そんな中、部長の「田井中律」は軽音部で1人になってしまう「梓」を心配し話しかける。

「なあ梓、これからのことなんだけど」 と。「梓」は話を遮り、こう切り返す。
「大丈夫です。新入部員ビシビシ勧誘しますし、絶対絶対廃部にはしませんから」(少々要約)

そして、先輩へお礼の手紙を送る。先輩が手紙を読んでいる間に、皆が鞄を置いている長椅子へ
向かって歩きながら「先輩方ご卒業おめでと・・・」言葉は、4人の卒業証書筒と5人いっしょの証
「け」「い」「お」「ん」「ぶ」のキーホルダー(1人が1つずつ持っている)の「ん」の字が目に入ったところで止まった。

健気に振舞っていた「梓」に、先輩と別れる悲しさ、軽音部で1人になる寂しさが込み上げてくる。
そんな梓の様子に気づき、先輩は「どうしたの?」「梓?」などと声をかける。
「梓」は涙声で先輩たちへこう言った。

「・・・卒業しないで下さい」「もう、部室片付けなくても、お茶ばっかり飲んでても叱らないから」
「卒業しないでよ・・・」 梓の目には涙が滲んでいた。

泣き崩れてしまう梓。駆け寄る先輩たち。

梓は涙ながらも気丈に振舞い「泣かないつもりだったのに、笑って見送ろうと・・・」
「ん~?」 と言い、話を聞く主人公「平沢唯」(以下、唯)。
「私大丈夫です。ちゃんと軽音部続けて、あの、トンちゃん(飼育しているすっぽんモドキ)もいますし・・・」

梓の気持ちを察したのか、唯は傍にあった手帳から「これをあげよう」と梓に渡す。
彼女が差し出したものは、自分たちが1年次バンド結成したときの写真。(梓は写真で足されている)
そして、5枚の花弁がついた花一輪。「わたしたちみたいだね、あずにゃん」と「唯」は言った。

1人だけかっこいいことをしている「唯」に周りがざわつき始める。
そして「梓、聴いて欲しい曲があるんだ」と「秋山澪」。
「唯」は「あずにゃんのために作ったんだよ~」と言った。

梓の表情に笑顔が戻る。

「あずにゃんこっちにおいで」と手を差し出す「唯」
その姿は、かつての「梓に叱られてばかりいた唯」ではなく、梓の先輩の「唯」だった。


高校を卒業する軽音部のメンバー4人から「梓」に向けて送られた曲。
それが「天使にふれたよ」である。

歌詞:アニメ版の部分のみ引用
*カットは全て追っていず、梓視点に注目しています。

「ねぇ、思い出のカケラに

名前をつけて保存するなら

"宝物"がぴったりだね

 

(唯が梓に向かって歌っている、横顔のシーンが流れる)

 

そう ココロの容量が

いっぱいになるくらいに

過ごしたね ときめき色の毎日

 

 (梓が目を据えて、秋山澪を見ているカットが入る)

 

なじんだ制服と上履き

ホワイトボードの落書き

 

   (梓側の視点から、田井中律を見ているカットが入る)

 

明日の入り口に

置いてかなくちゃいけないのかな

 

琴吹紬が歌っているシーン、最後に目がうるうるし始めた梓のカット)

 

でもね、会えたよ!すてきな天使に

卒業は終わりじゃない

 

 (歌っている唯を見ながら、目に涙を浮かべる梓)

 

これからも仲間だから

一緒の写真たち

おそろのキーホルダー

 

(唯から貰った、写真と花を手にもっている梓と

「ぶ」の字のキーホルダーのカット)

 

いつまでも輝いてる

ずっとその笑顔ありがとう

 

 (少し恥ずかしそうに、寂しそうにしながら目を伏せつつ

最後に涙ぐみつつも笑顔になる梓のシーン)

 

駅のホーム 河原の道

離れてても 同じ空見上げて

ユニゾンで歌おう!

でもね、会えたよ!すてきな天使に

卒業は終わりじゃない

 

(演奏に目を奪われたような梓のカット)

 

これからも仲間だから

 大好きって言うなら

 

 (目に大粒の涙を浮かべているが、笑顔の梓のカット)

 

大大好きって返すよ

 

 (涙がこぼれ落ち、ハンカチで拭う梓のカット)

 

 忘れ物もうないよね

 

 (少し寂しげな表情で涙ぐみ、皆を見る梓のカット)

 

ずっと 永遠に一緒だよ

 

  (伝えるように、梓に向かって歌う唯の横顔のシーン)

 (先ほどの表情のまま、写真を確認するかのように

うつむき、こぼれ落ちた涙が、写真に留まる)


正直、このシーンだけでも見る価値がある。それほど、構成が素晴らしい。
気付いている方が大半だと思うが、梓の表情の変化が解りやすいのである。

視点でいうと

1.唯→梓(梓は見えない)
2.梓→澪(梓の表情が見える)
3.律→梓(梓の後ろから見ている感じ)

4.紬→梓(紬も梓もシーン・カットが単独)
5.全員  (長椅子の少し後ろからの視点。梓も見えている)
6.梓→唯(梓の表情の変化、視点は唯の右肘あたりの少し後ろ)

7.唯→梓(梓が写真と花を持っていて、「ぶ」のキーホルダーが見えるカット。表情は見えない)
8.梓   『足を動かすシーン「恥じらいの表れ?」表情が追える。寂しさ→照れ→笑顔』
9.唯→梓(唯→梓としているが、紬も入っている。梓は見えない)

10.梓    (単独シーン。表情がわかる。その後、澪・律の順に単独シーンが入る」
11.梓   (単独シーン。涙がこぼれ、ハンカチで拭くシーン)
12.梓   (単独シーン。頭の位置と角度が、唯からメッセージを受け取っているように見える

13唯→梓『「一緒だよ」という唯の横顔のシーン』
14梓   (単独シーン。うるうるしながら、うつむくと、写真に涙が落ちる)


他のキャラクターの部分を除くと、だいたい2カット(シーン)のあと、1回は梓の表情の変化が解るようになっている。
キーとなる言葉に反応して、変化していく梓の表情は人間らしさに満ち溢れている。

「不安・寂しさ・恥じらい・笑顔・信頼・希望・感動・友情」色々なものを想起させてくれる。
「すてきな天使」とは、もちろん梓のことである。
後に発表された、映画版では描かれているが、直前までは「すてきなきみに」 「すてきなこねこに」だった。

この歌詞に唯はしっくりきていなかった。
そして、4人で部活の思い出を話し合っているなかで、ふと唯が言い出した。

「わたしたちに翼をくれたのは、あずにゃんなんだ。
あずにゃんはわたしたちを幸せにしてくれた、ちっちゃくてかわいい天使なんだよ」

そして「すてきな天使に」となったのである。
物語ではあるが、見ていて気持ちいいくらいの仲好しっぷりだ。

こんなに先輩から大事にされる後輩がいたら、本当に幸せだと思う。

そして、こんな青春時代を過ごせた人は本当に幸せだと思う。

そうでなくとも、こんな深い関係の友人が1人でもいれば、それだけで幸せだと思う。

私はそう思う。

 しかし、人の価値観、幸せの質や条件、希望は違って当然である。
「社会的地位・お金・恋愛・結婚・出産・子ども・友人・男・女・H・趣味」きりがないのだ。
 逆にいえば、人間て本当に欲が多いと思う。

さらに言えば、自分の幸せに思うことが満たされれば満たされるほど、幸せなのかもしれない。
だが、そうもいかないのが人間で、欲で身を滅ぼすなんてよく聞く話だ。
結局なにが言いたいのかというと

「幸せって本当は気付かないくらい、ありふれているものではないか?」ということだ。

そのありふれたものを愛せたとき、再認識できたとき、本当の幸せがみえるかもしれない。
(なんだか哲学のようになってしまった・・・。)

だから、再認識できた私は胸を張ってこう言いたい。

「今、私は幸せです」と。 私を満たす最大の根幹は「永遠」だと気付いたから。  

私を動かす不動の「永遠」は確かに私の心の中にある。

もう錆びついてしまったキーホルダーも多いけど、それも「永遠」だ。 

生きている間 限定の「永遠」 それだけで生きていくには十分だ。


あなたは今、幸せですか?


ありがとう「けいおん!!」

ちなみに私は、元気な部長の律ちゃんが一番好きだ。事実。

http://www.tbs.co.jp/anime/k-on/
けいおん1期HP

http://www.tbs.co.jp/anime/k-on/k-on_tv/index-j.html
けいおん2期HP
*画像などを使用していないのは、©が厳しいためです。
ご容赦を。

alty mate

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